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ユーザビリティとユーザエクスペリエンス

2008年09月12日

平井です。
今回はサイトにおいて、最近重要だと思っている事について。

ユーザビリティという言葉はよく聞きます。
英語の"Use"「使う」と"ability"「可能性」が語源のusability(ユーザビリティの「ユーザ」は"User"ではない)。

つまり「使いやすさ」ですね。
ボタンの位置や視認性、サイトの構造などでいかに
そのサイトが使いやすいのかという事を示す言葉です。


それに対して、あまりなじみがないのが、
ユーザエクスペリエンスという概念。

英語の"Use"「使う」と"experience"「体験・経験」が語源のuser experience。

これは実はユーザビリティの上位概念でつまり、ユーザエクスペリエンスがユーザビリティを内包しているという構造になっています。いちご大福に例えると、いちご大福全体がユーザエクスペリエンスで中に入っているイチゴがユーザビリティという事です。
ユーザビリティはユーザエクスペリエンスの構成要素であるという事です。

具体的にユーザエクスペリエンスとはどういう事かというと、
こちらに書いていますが、

製品やサービスの使用・消費・所有などを通じて、人間が認知する(有意義な)体験のこと。製品やサービスを利用する過程(の品質)を重視し、ユーザーが真にやりたいこと(本人が意識していない場合もある)を「楽しく」「面白く」「心地よく」行える点を、機能や結果、あるいは使いやすさとは別の“提供価値” として考えるコンセプト。

です。

これは人間が行動しているときには常に感じている事で、
ネットの世界からは離れますが、例えば

ディズニーランドと遊園地

では同じジェットコースター乗るとしても全然感じが違う。
それはジェットコースターに乗るというまでの「過程」が違うからです。
人間の脳は事象を連続体として捉える事が普通なので、純に合理的な評価をする事ができないのですね。だから、全く同じジェットコースターがディズニーランドと富士急ハイランドにあったとしても、乗った人の感覚は必ず違うのです。同じジェットコースターに乗ったにも関わらず。

パソコンという画面の世界でもそれは言える事。
Windows95でネットのページを見るのと、Windows XPで全く同じページを見るのではきっと印象が違うはず。Vistaならなおさらでしょう。

Macではウィンドウを最小化すると、ジニーエフェクトという効果で画面が吸い込まれるように最小化されます。
これはディズニーの映画「アラジン」に出てくるランプの精「ジニー」からとったものです。これはユーザビリティが上がる!とか、使いやすい!という意味はありませんが、単に最小化するのではなく、その行為が「楽しく」「気持ちよく」なるように設計されているのです。

そもそもWindows XPの"XP"とはユーザエクスペリエンスの"experience"から来ているのです。それほどこの概念は重要視されるものです。



ネットのコンテンツに関しても同じ事が言えます。
例えば誰をターゲットにしたサイトなのか、サイトの色使いや構成で
何となく分かるページがありますよね。
論理で説明しろと言われてもそれは難しいですが、人は直感的にかつ一瞬でそれを判断しています。


そういう理由もあり、

ユーザビリティに関してはほぼ論理的な説明ができたり、実際に使ってみて「使いにくい」と感じる事ができますし、ある程度直す事もできます。
一方でユーザエクスペリエンスはなじみがない概念であり、さらに人間はそれをユーザビリティよりももっと直感的に判断しているので、なかなか気付く事ができないし、どうすれば良くなるのか分からない事があります。

これが難しいことで、ネットの世界にはまだユーザエクスペリエンスを意識したサイトが少ないように感じます。
最近残念だと思ったのはmixiのマイページのバナーに広告がでかでかと張り付きだした事。これはユーザエクスペリエンスを台無しにしています。なぜなら、mixiのマイページはいわば「自分のスペース」であって、他人に入ってきてほしくない場所。そこに広告が載るのはつまり、現実の世界で言えば、自分の部屋に誰かが勝手に広告を貼付けにくるというようなものです。
一方でyahoo!のトップページにどんなバナーがあっても誰も気にならないと思いますが、これはyahoo!が自分のページではないと人が(無意識的に)思っているからです。いわば外出したら、街中に広告がたくさん出ているのと同じ事です。

ということで、これからユーザビリティがどんどん改善されてくるようになると、ユーザエクスペリエンスによって差別化される時代になるのではないかと個人的には思っています。それが遅れているのがネットの世界。まだまだ進化しそうです。

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